男性不妊について
近年、少子高齢化や出生率の低下がTVや新聞、雑誌などでも話題を呼び不妊症も注目を集めております。
また男性の精子が減ってきているということもマスコミに取り上げられること が多くなり、結婚前に彼の精子を測ってもらいたいという女性側の両親からの
依頼まで聞かれるようになりました。
現在の日本では10%のご夫婦が不妊症で悩んでいるというデータもあります。
その不妊原因の約半数を占める「男性不妊」の検査である「精液検査」は未だに顕微鏡で 精子数を数え、
奇形率や運動率を求めるという昔からの用手法に頼っています。
しかし、数千万という数の動いている精子を数えるには検査技師の熟練度と時間を必要とし、得られたデータも測定者の主観や疲労度、経験によって
大きく変ってしまうことが指摘されています。
今回ご紹介させていただく精子特性分析機SQA(Sperm Quality Analyzer)はイスラエルで開発され、
どなたでも簡単に短時間で精子検査が出来る機器として、日本生殖医学会(旧:日本不妊学会)や日本受精着床学会等でも大変話題を呼んでいる機械です。
特に顕微鏡では見ることができない平均精子速度や高速直進運動精子濃度:PMSC(a)、SMI(Sperm Motility Index)等精子の受精能力の予測に有用な
データが得られることも特徴になっています。
出典WHO「ヒト精液検査と手技」第5版の日本語訳
■SMI(Sperm Motility Index): 精子運動性指数
・MES社の精子特性分析機SQAで計測されるパラメータで、運動精子濃度と精子の曲線速度(VCL)を統合して指数として報告されるものです。
・SMIと男性不妊症の正の相関は欧米や日本など世界中の学会や論文で立証され発表されています。
・SMI値は80以下:低 80-160:中 160以上:高に分類されます。
*解説
1mlの精液中に存在する精子の数を精子濃度といい、その中で動いている運動精子の割合が運動率です。運動精子にはその場でゆらゆらと動いているものやグルグル回っているものも数えられますが、受精に関与するのは真っ直ぐに前進運動をしている精子だけです。精子検査の結果で、精子濃度と運動率が良いのに受精しにくい場合にはこの前進運動精子濃度やその速度が低いケースが考えられます。世界中の不妊施設でSMI値が精子受精能力の判定として使われているのは、濃度や運動率だけでは予測できない受精能力を予測する時に、有用なパラメータとして認められているからです。
■高速前進運動精子濃度
受精に最も関与している精子の濃度と言われているパラメータ。
運動精子の中で1秒間に20µm(マイクロメートル)以上の高速で前進運動をしている精子の濃度。
顕微鏡による用手法で高速と低速を分類して測定するのは難しいため、WHO精液分析ラボマニュアル第6版では「前進運動精子濃度(高速+低速)」の形にしてこの下限基準値を1mlの精液中に480万と定めている。
SQAシリーズでは高速前進運動精子濃度が計測出来るので、SMIと共に妊孕性の判断をする時の指標として利用されている。
■ED(勃起不全)
ED(勃起不全)とは、男性のペニスが勃起しないことで、EDの割合は40台で20%、50台で40%と決して珍しい病気ではありません。 以前はインポテンツと呼んでいて、年齢、ストレス、病気などのさまざまな原因が考えられます。
■乏精子症(ぼうせいししょう)
乏精子症とは、精子濃度が1ml中に1600万個未満の場合を言います(WHO第6版下限基準値2021年)。 不妊カップルの累積妊娠率は、運動精子数が900万個以下だと20%、1000~1900万個では37%、2000万個以上だと52%という資料があります。
■精子無力症
精子無力症とは、元気に運動する精子の数が全体の50%未満の場合をいいます。顕微授精(ICSI)は、精子無力症の人にとって、有力な受精方法と言われています。
■精液減少症
一回の射出精液量が2.0ml以下の場合を言います。
■奇形精子症
奇形精子症とは、正常形態精子が4%未満の場合を言います。 1999年にWHOによる精子正常形態率の基準値が変更される前は、正常形態精子が30%未満の場合を奇形精子症としていました。
■無精液症
無精液症とは、射精感があっても精液がまったく射精されないことを言います。
逆行性射精のように精子が膀胱へ逆流してしまうこともあります。
■精子死滅症
精液中の精子が全て死滅している状態の事を言います。
■精子不動症
精子不動症とは、精液中に精子は認めるが、全く動いていない状態の事を言います。
■無精子症
無精子症とは、精液の中に精子がいない状態をいい、男性不妊の2割程度と考えられています。精子はもともと精巣で作られますが、まったく作られていない状態を「非閉塞性無精子症」といい、精子は作られるが、精子の通り道がふさがっている事を「閉塞性無精子症」と言います。
■閉塞性無精子症
閉塞性無精子症とは、精巣で精子は作られるが精子の通り道がふさがっている状態。
手術可能であれば精路再建術(精管-精管吻合もしくは精管-精巣上体吻合)によって、精子の通り道を再建して改善出来る可能性がある。
再建不能なら顕微鏡下精巣精子採取術(Micro-TESE)などの精巣精子採取術+顕微授精で妊娠出来る可能性がある。
■非閉塞性無精子症
非閉塞性無精子症とは、精巣で精子が十分に造られていないために精液中に精子が出てこない場合の事を言います。精巣の一部の精細管では精子が作られていることがあるので、顕微鏡下精巣精子採取術(Micro-TESE)などの精巣精子採取術+顕微授精で妊娠出来る可能性があります。
■精策静脈瘤
精索の静脈〔蔓状(つるじょう)静脈叢(そう)〕が蛇行、拡張し、その程度が強い場合は陰嚢内に腫瘤(しゅりゅう)を形成します。 陰嚢痛を訴えることもあります。80~90%は左側に生じ、思春期以降に多いのですが小児にもみられ、男性不妊症の原因になることがあります。
■逆行性射精(ぎゃくこうせいしゃせい)
逆行性射精とは、精液が外に射精できないで、膀胱に向かって逆流してしまうことです。前立腺の治療を受けた人が逆行性射精になることが多いようです。
■遺伝子・染色体異常
受精の段階で異常を起こし、生まれつき生殖にまつわる遺伝情報が欠失していたり精子の形成に異常を来たしたりします。 下記のクラインフェルター症候群とロバートソン転座は男性不妊で特に多いもの。 他には46XXmale・47XYY・Y染色体構造異常・相互転座・逆位・リング染色体などがあります。
■クラインフェルター症候群
男性で、性染色体の構成がX染色体2本、Y染色体1本のXXYを示します。出生の頻度は新生児の男児800人に1人の割合でみられます。 幼児期・学童期にはとくに症状はみられませんが、思春期からの精巣の発達が進まず、精巣が小さく無精子症となりますが、外性器の発達は正常です。 下肢が長く身長が高く、乳腺がいくらか発達したり、男性にはまれな乳がんの発症がみられることもあり、糖尿病になりやすい体質も伴います。 不妊の検査で初めて気づかれることがあります。XXY細胞以外にXY細胞がみられるモザイクの場合には、精子形成も認められます。
■ロバートソン転座
常染色体異常の一種です。通常二本一組である染色体が一本に融合し、染色体の数が正常よりも一本少ない45本になっている状態を言います。 男性不妊では13番と14番染色体で融合を起している事が多く、作られる精子に遺伝子・染色体異常が起こる可能性が高くなります。
■停留精巣(睾丸)
停留精巣は陰嚢(いんのう)内に精巣(睾丸)が触れない状態をいい、男児の生殖器の異常としては最も多い疾患です。 もともと精巣は胎児期には腹腔内に存在し、胎生3カ月ころに下降し始め、30~32週までに陰嚢内に降りてきます。これが途中で留まった状態が停留精巣です。 新生児の3~5%に認められますが、生後6カ月ころまでは自然に下降してくる場合があり、1歳では1%に減少しますが、それ以降は自然に下降してくることはありません。 低出生体重児や早産児では、発生頻度が高くなります。
■ヤング症候群
気管支の拡張と副鼻腔の炎症という症状があり、両側精巣上体の閉塞を伴い閉塞性無精子症となる病気です。
■脊髄損傷
事故などで起こった脊髄損傷により下半身がマヒし何年も経つと精巣の機能が落ちてきて、勃起障害、逆行性射精、造精機能障害を引き起こします。
■性機能障害
勃起障害、射精障害などを言います。4回に3回セックスがうまくいかない場合に診断されます。原因は心理的な要因と、神経や内分泌系に障害がある器質性障害があります。
■前立腺炎
前立腺に細菌の感染を生じ、発熱とともに前立腺が大きく腫脹(しゅちょう)して排尿困難、残尿感、頻尿、排尿時痛を生じます。 尿閉(前立腺がはれて尿道を圧迫し、まったく排尿ができなくなってしまうこと)になることもまれではありません。38~40℃の高熱を伴うことがあります。
■問診
不妊症に関係するホルモンに作用する薬品を服用していないか、喫煙、飲酒、性腺機能(性欲など)、無精子症に関係する疾患の病歴などが無いか質問用紙に記入します。
■視診・触診
・体毛の生え方(男性ホルモンの分泌が正常化どうか)
・そけいヘルニアや腹部手術の傷が無いか(閉塞性無精子症の原因になります)
・陰嚢の皮膚疾患がないか(皮膚疾患があると陰嚢の温度が上がり機能が下がる
・陰嚢がぶらんと下がっているか(下がっていないと陰嚢の温度が上がり機能が下がる)
・精巣の大きさチェック(大きさは造精機能のバロメータと言われています)
・精巣のかたさ(張りがあるのは正常、やわらかいのは造精機能に問題がある場合があり、固すぎる場合は精巣ガンの疑いがあります)
・精管の有無(精管が欠損していないかどうか)
・しこりの有無(精策静脈瘤や腫瘍がないか)
をチェックします。
■陰嚢超音波検査
陰嚢にゼリーを塗りブローブを当てて超音波検査。精巣容積測定、腫瘍の有無、精策静脈瘤の有無、精巣の血流をチェックします。
■精液検査
精液はマスターベーションで採取します。
外見:乳白色、不透明が正常。透明な場合は無精子症、黄色や血が混ざっている場合は白血球が多い(炎症を起こして
いる)事が疑われます。
精液量:正常1.4ml以上。それ以下の場合は逆行性射精や前立腺の疾患が疑われます。
粘稠性:正常な場合は糸をひきません(約2㎝で糸が切れます)。
精子濃度:1mlの精液中に存在する精子の数を精子濃度、正常値1600万個/ml以上。
運動率:1mlの精液中に存在する精子と動いている精子の割合、正常値42%以上
正常形態精子率:正常形態の精子がどれだけいるか染色をしてチェックします。正常値は4%以上。
■精液検査(特殊検査)
ハムスターテスト | ハムスターの卵子にヒト精子を侵入させる事で精子の受精能力を測る検査。 15%~30%が正常。 |
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アクロビーズテスト | 精子の頭部に含まれている酵素を調べ、受精能力を確かめるテスト。 |
精子生存性検査 | 動かない精子が多数居る場合に、その精子が生きているか死んでいるか染色して確かめるテスト。生きている精子が75%以上いれば正常。 |
HOSテスト | 精子を浸透圧の低い液の中に入れると尾部の構造が変化する事を利用して良好精子を選別出来ます。ICSIの際に用いる精子が少ない場合などに行われます。 |
■ホルモン検査
血液検査 FSH(卵胞刺激ホルモン) |
造精機能の目安となります。正常値よりも高すぎても、低すぎても造精機能に影響します。 |
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LH(黄体化ホルモン) | 男性ホルモンの分泌を促すホルモン. |
PRL・プロラクチン (乳汁分泌ホルモン) |
免疫系の機能に作用し、造精機能が妨げられたり勃起障害の原因になる場合もある。 |
TEST(テストステロン) | 精巣内の細胞から分泌される為、正常値でない場合は精巣自身にダメージがある事が推測されます。 |
■抗精子抗体検査
血液検査、精液検査(男性の場合)。抗精子抗体は男女それぞれにあり、抗精子抗体は精子の運動率、受精率を阻害します。
■TESE(精巣生検・精巣内精子回収法・バイオプシー)
精液検査で無精子症と確定した場合に行われる。陰嚢を切開し精巣を露出し精巣組織を採取し、精巣内の精子を探す検査(手術)。 精子が居るか確かめるだけでなく、見つかった精子は凍結してICSIに使用するという治療のひとつでもある。閉塞性無精子症の場合は精巣の何処の部分でも精子を作っていて、 ほぼ前例で精子を回収する事が出来ます。非閉塞性無精子症の場合、従来は何箇所もの精巣組織を採取しても精子が回収出来る可能性は4割程でしたが、 近年は精子を作っている部分の精細管が太くなっている性質を利用して、顕微鏡で太い精細管を探すマイクロセダクションという方法で約6割の精子回収が出来るようになりました。
■精管精嚢造影
陰嚢の皮膚に麻酔をして精管の内容物を吸引し、その後精管に造影剤を注入してレントゲン写真を撮影する。無精子症で逆行性射精ではなく、TESEで精巣内に多数の精子が認められる場合に、閉塞部位を調べるために行われます。検査結果によっては精管再建手術が可能かどうかも調べられます。しかし造影剤が体内で固まってしまう場合もあり、陰嚢を切開して行う大変な検査なので近年はあまり行われていないそうです。
■染色体検査
血液検査。血液中のリンパ球だけを取り出し培養液の中で72時間培養した後染色をして、精子に関する染色体に異常が無いか調べます。
■遺伝子検査
血液検査。血液中のリンパ球からDNAを抽出し、染色体検査だけでは分からない微妙な遺伝情報の欠失や遺伝病などが無いか調べます。
■尿中精子検査
射精した後に採尿し精子が居ないか調べる。精液検査をした時に精液量が少ない場合や、精液が出ない場合に行います。尿中に精子が多数発見される場合は逆行性射精と診断されます。
■手術療法
精索静脈瘤を取り除いたり、閉塞性無精子症の精管再建手術など
■薬物療法
症状を持つ患者さんに対して薬を使用(投与)する治療法です。
■精子回収法 ・精巣内精子回収法(TESE)
・精巣内精子吸引法(TESA):精巣に針を刺して精子を回収する。
・膀胱内精子回収法:逆行性射精の場合に行う、膀胱を洗浄した後にマスターベーションを行った後の尿から精子を回収する。
・精巣上体精子回収法(PESA):精巣上体に針を刺して精子を回収する。
■AIH(配偶者間人工授精)
AIH(配偶者間人工授精)とは、夫の精子を注入器で子宮の奥に送り込ませる方法です。精液から不純物や細菌を取り除く処理をするため、質のいい濃度が高い精子だけを選ぶ事が出来ます。
■体外受精・胚移植(IVF-ET)
IVFは、In Vitro Fertilization の頭文字をとったもので、日本語では体外受精、と訳します.ETとは Embryo Transfer の略で、日本語では胚(受精卵)移植、と訳します.
基本的な原理は、卵巣から1個またはそれ以上の卵子を採ってきて、からだの外で(培養液と培養器が必要です)夫の精子を使って受精させ(体外受精)、受精した1個または数個の受精卵をを子宮に戻す方法です.受精卵を子宮に戻す操作を胚移植といいます.
■顕微授精(ICSI)
顕微授精(ICSI)とは、顕微鏡下で受精される方法。少しの精子の中から運動量が高い精子を1匹選んで卵子に注入します。体外受精でも妊娠しない人、特に精子に問題がある人(乏精子症、精子無力症)の治療です。
■不妊症
不妊症とは、妊娠を希望して2年以上の夫婦生活にも関わらず、赤ちゃんができない場合を言います。原因は女性が5割、男性が3割、両方に原因がある、あるいは原因不明の場合が2割程度と考えられています。
■膿精液症
膿精液症とは、男性の精液に白血球が混じってしまう病気。精子無力症を引き起こすこともあり、体外受精でも受精しないことも多い。大きな原因は前立腺炎と考えられています。
■AID(非配偶者間人工授精)
AID(非配偶者間人工授精)とは、夫が無精子症などのときに夫以外の精子を使って人工授精させる方法。
■ART(生殖補助医療技術)
ARTとは、体外受精や顕微授精のように卵子と精子を体外で受精させる医療技術です(生殖補助医療)
■インフォームドコンセント(informed consent)
インフォームドコンセントとは、医師による一方的な治療ではなく「説明の上の同意」という意味で使われます。医師は治療をしていく上で患者に説明の義務があり、それをもとに医師との信頼関係を築き確率論に従った治療を続けていくことが望ましい。
■陰嚢(いんのう)
陰嚢とは、皮膚に包まれた外性器のこと。男性では睾丸(精巣)にあたり、女性では大陰唇にあたる。精索静脈瘤の状態を調べるのに陰嚢皮膚温度測定がある。
■HLA(主要組織適合抗原系)
HLA(主要組織適合抗原系)とは、遺伝子レベルの自己白血球の抗原。夫婦の間で似たような白血球の抗原を持っていると流産しやすいとも考えられてます。
■カリクレイン療法
カリクレイン療法とは、男性不妊に対する薬物療法です。精子の状態をアップのためカリクレイン錠剤を服用する。
■環境ホルモン
環境ホルモンとは、生殖機能を脅かすとされている、人工的な化学物質を指します。 精子の奇形率や卵巣がんにも影響があり、不妊とも大きな関係があるとされています。
■配偶子卵管内移植(GIFT)
配偶子卵管内移植(GIFT)とは、体外で精子と卵子を混ぜ合わせ、受精する前の状態で卵管の先に戻す方法。受精は体内で行われるGIFTに対して、1日培養して受精後に卵管に戻す方法を胚卵管内移植(ZIFT)という。GIFT→Gamate Intrafallopian Transfer
■クラミジア感染症
クラミジア感染症とは、日本で最も多い性病(STD)。 症状がほとんどなく、検査するまで気づかないことも多い。卵管に感染すると卵管が細くなったり炎症を起こしたりして、不妊症や流産になる確率が増えてしまいます。
■抗精子抗体(こうせいしこうたい)
抗精子抗体とは、女性の体が精子にアレルギー反応を起こしてしまうこと。この抗体は精子の運動能力を落とし停止させてしまう。受精の過程までが問題なので人工的に受精させる体外受精(IVF)は効果があるとも言われています。
■視床下部
視床下部とは、脳の中央に位置して人間のあらゆる器官の働きや、ホルモンバランスを調節するところ。排卵は視床下部や下垂体から分泌されるホルモンが関わっています。
■射精不全(しゃせいふぜん)
射精不全とは、男性が女性の膣内に射精できない状態を言います。セックスは問題なく出来るのだけど射精をしない場合が多い。精神的な影響が大きいと考えられています。
■受精
受精とは、卵巣から排卵された卵子と、射精された精子が結びつく事です。受精した卵子を受精卵と言い、受精卵が子宮内膜に根を生やすことを着床といいます。
■受精卵
受精卵とは、精子と卵子が受精して1つになったものです。卵管膨大部で受精した受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮内膜に着床します。
■スイムアップ法
スイムアップ法とは、人工授精において採取した精子の中から、質の高い物だけを集める方法です。培養液の中に濃縮した精液を入れ、時間の経過とともに培養液の表面に泳いでくる精子を集めます。→精液静置法
■パーコール法
遠心分離器で元気が精子を集める方法。→精子洗浄濃縮法
■精液検査(せいえきけんさ) 精液検査とは、男性の精子の状態を調べる検査です。精子の運動量、奇形率、精子の数、精液の量に異常がないか調べます。体調や精神状態で左右することも多く、何回かにわけて検査をします。
■性感染症(STD)
性感染症(STD)とは、梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナス、性器ヘルペス、エイズなどの、いわゆる性病です。感染したらパートナーも一緒に治療することが必要になります。
■性機能障害(せいきのうしょうがい)
性機能障害とは、ED(勃起不全)、性交障害、射精障害などセックスがうまくできないことを指します。不妊の隠れた原因と言われる性機能障害は最近になって増え続け、特にEDは性機能障害の中でも70%を占めると言われています。
■精巣
精巣とは、精子が作られる場所です。陰嚢とよばれる袋に中にあり、男性ホルモンを分泌する重要な臓器です。精子は精巣上体に集められて、射精の直前に精管前立腺部に移送されます。
■精巣上体(せいそうじょうたい)
精巣上体とは、精巣の横にあり精巣で作られた精子を熟成させる場所。(副睾丸) 精細管上皮で成熟した精子が精巣上体に集められる。
■性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)
性腺刺激ホルモンとは、卵巣や精巣に働きかける糖たんぱく質ホルモンです。卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の2種類があり、下垂体前葉から分泌されます。
■セカンドオピニオン(Second opinion)
セカンドオピニオンとは、主治医の治療法や方針に対して、他の医師の意見を求めることです。医師によってさまざまな考えを持っているのが現状で、セカンドオピニオンを求めることによって治療をしていく上での選択の幅が広がります。
■染色体異常
染色体異常とは、精子や卵子の染色体に異常を持ってしまうこと。初期流産の約半数以上の原因が染色体異常といわれ、未だ不明な点が多い。
■続発性不妊症
続発性不妊症とは、不妊症の種類。過去に妊娠した事はあるが、その後2年以上妊娠しない場合を続発性不妊症と言う。1度も妊娠した事のない人は原発性不妊症。
■タイミング指導
タイミング指導とは、不妊治療の第1歩で、排卵日を正確に予測してセックスをするタイミングの指導を受ける治療です。
■テストステロン(男性ホルモン)
テストステロンとは、男性ホルモン(アンドロゲン)の一種で、元気な精子を作るのに重要な働きをします。テストステロンは睾丸(精巣)で分泌され、下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンと視床下部から分泌される黄体形成ホルモンにより調節されます。